LECTERvol21
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逆に日本では、例えば果物のことを懐石料理では「水菓子」と呼ぶように季節を感じながら高級な果物を「菓子」として食す文化があったり、江戸時代初期から続くとされる高級果物をお中元やお歳暮の「贈答品」として贈る文化もいまだ健在なのである。いわば、果物というものに対する価値観が欧州と日本では全く違うということなのだろう。なぜこのような話を長々としたかと言うと、広島のソウルフード(ドリンク?)と呼んでもいいであろうタマルのミックスジュースの原点は、この写真にある「青果店」だからだ。しかも現役、これは素晴らしいこと。昔ながらの店構えが昭和レトロ感満載の猿猴橋「タマル本店」。現在の社長の祖父の代から続く 5  「果物」を皆さんは毎月どれくらいの量食べるだろうか。日常的にフルーツを摂取する割合は、欧州諸国と比較すると日本は圧倒的に低い。そもそも、現代ではスーパーなどで気軽にメロンでも葡萄でも比較的安価に購入できるが、昔は違ったのだからその流れなんだろうか。理由は諸説あるが、基本的に日本と違って欧州では飲料水に適さない硬水が多く、また通年でビタミン摂取できる作物が少ないこともあり、水分補給やビタミン摂取のために日常的にフルーツを食べる習慣が根付いているという説がある。だからこそ、高級なフルーツを青果店で手に入れることはなく、安価な山盛りのフルーツをマーケットなどで購入するのが一般的なのだ。日本の青果店は独特の文化である    BRAND HISTORY

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